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児玉語録

児玉語録6月号「令和元年 春季リーグ戦について感想」

2019/06/05

『令和元年 春季リーグ戦について感想』


先月号でゴールとビジョンについて書いた。

ゴールとは、目標達成した状態の到達点のことである。

ビジョンとはゴールを達成したときの自分の様子をリアルにイメージする力である。

このことを春季リーグ戦 前のミーティングで詳しく説明した。

「久しぶりに熱意を込めて話をしたなぁ!」と全員の顔を見て話を終わった。


春季リーグ戦、優勝おめでとう。
今回のリーグ戦は、戦力面から見れば早大か専大が優勝するだろう…

というのが卓球界の大方の予想であった。
だからこそ今回の明大チームは一体感がより強くなり、全員が優勝に向けて、

それぞれが自分の役割を果たし努力した結果だと思う。
指導陣も選手も、部員全員の「絶対 優勝するぞ」という強い思いは、

最後まで微塵も崩れることはなかった。
学生卓球界の王者と言われる明治大学で、卓球の道を極めたいと入学してきた選手全員、

たとえ現在の状況はレギュラーでなかったとしてもいい。

懸命に努力することが、あらゆることの基礎となるのだ。

卓球でも、仕事でも、何でも最初から上手い人などいない。

その才能を見つけてくれた人がいて、その才能を伸ばしてくれた人がいて、

そして何よりも大きいのが自分の役割を考えて、

自分のゴール(目標)に向かって、日々努力することなのだ。
努力は決して自分を裏切らない。と私は信じている。

私はサインを求められた場合、数年前までは “ 流汗悟道 ” と書いていた。

これは、「迷いを排し汗を流して努力する」…という意味で、私の造語です。

ちなみに現在は “ 思いは叶う ” と書いています。
ここで部員全員から提出された、今回のリーグ戦の感想文の中から抜粋して載せます。
それぞれの立場によって、懸ける思いが伝わり、参考になることが多いと思います。

 

 

 

◆今回は私が在籍している中でもかなりの準備をして迎えたリーグ戦であったと思います。練習量もさることながら自分のプレーや対戦相手の研究も入念にしてきました。

選手のネガティブな発言を聞きつつもそのハードな練習が標準になったことで

基礎能力が一段と増したと感じました。

競り合った場面、緊張感がピークに達した時、絞り出された力は

この練習量が生み出したものであったり、自己分析と、的を絞った練習が

今回の全勝の源であったと考えます。

今回の勝因をチームで共有し継続していきたいです。

リーグ戦前から私は主観的に見て今年のチームはかなり強いと思っていました。

根拠はありませんでしたが今回の勝ち方を見て自信を持てました。

チームを信じ思うことから生まれた行動や言葉はこれからも大切にしたいです。

 

 

 

◆春リーグを終えて、2つのことを感じました。1つ目は王者である明治大学の強さ、   伝統の力を改めて実感しました。これは、早稲田大学戦で強く感じました。

ラスト菅沼対硴塚、実績で見ると硴塚の方が圧倒的に上で会場の誰もが明治が負けると思っていたと思います。しかし結果は菅沼の粘り勝ちで明治大学が勝ちました。

これは王者明治大学としての勝たないといけない使命感、責任感が菅沼を奮い立たせたのではないかと感じます。

また、応援側も明治が勝つと、誰1人として諦めず応援したことがこの勝ちにつながったと感じます。4年目にして、明治大学の強さというものを改めて実感することができました。
2つ目は応援の願晴りです。明治ほど応援で一体感があるチームはないと思いました。 今回は荷物の当番が多くて他の大学を見ていると、喋りながら応援をしたり、笑いながら応援したりと口だけの適当な応援だと感じました。

しかし明治は試合に全員が集中し、いいプレーをしたら立ち上がり、

ミスしたら「ドンマイ」、「大丈夫!」など選手に声をかけ応援も選手同様に願晴っている

チームだと感じました。

試合も優勝できましたが応援も 明治が1番のチームだったと感じました。
 


◆藤井主将を始め、チームみんなが「優勝したい」という気持ちが強く

試合に出る選手はいつも以上に準備を重ね、過去の試合を見たりして研究をし、

サポートするメンバーも いつも以上に選手に気を遣って行動できていた結果が

今回の全勝優勝につながったと思います。

今回のリーグ戦で1番すごいと思ったのは龍崎の精神力の強さです。

3年生ながらエースとしてチームの柱として戦ってくれました。

 

 

 

◆新体制となって初めてのリーグ戦は、藤井主将と國近主務が中心となって、まさにチーム一丸で戦えたと思います。特に藤井は、伝統ある明治主将としてチームの先頭に立ち、早稲田大戦で負けそうなときでさえ、一時も諦めたような姿勢を見せることはなく、選手を鼓舞したり、一本一本、気の籠った応援をする姿勢を保っていました。藤井主将のこの姿勢がチーム全体に伝わり、本当の意味でのチームワークを発揮できたからこその優勝だと思いました。早稲田戦での菅沼対硴塚の試合は、周りからしたら早稲田の方が優位に

見えたかもしれませんが、少なくとも明治の部員は全員、菅沼の勝利が見えていたと私は思います。菅沼はリーグ戦初出場シーズンでしたが、彼は昨年あまり活躍できなかった 悔しさから「来年はリーグ戦に絶対出るから今から準備しておく」との発言をしており、

その「準備」が大きな花を咲かせたと思っています。

 


◆まずは春リーグを全勝優勝という形で終えることができ、本当に良かったです。

自分的には嬉しい気持ちもありますが、それ以上にほっとしている気持ちの方が大きいです。今年は昨年と比べて圧倒的に強い大学がなく、どこが優勝してもおかしくない状況の中、勝てた原因として以前よりも練習量やトレーニングを増やしたことはもちろんですが、

それ以前にやはり選手一人一人が心の底から勝ちたいと思って日頃の練習、試合に  取り組んでいたからだと思います。苦しい試合ばかりで負けそうにもなりましたが、

そこで勝つことができたのは、自分たちだけでもやれるという大きな自信になりました。

自分としては、エースの自覚を持って試合に挑むことはもちろんでしたが、

その他にダブルスが成長したと思いました。今回は試合前にOBの森園さんが練習に 来てダブルスの動き方や打つコースを指導してくださり、念入りに練習しました。

また、戦術面の方でもパートナーである沼村と話し合い、色々と準備しました。
 勝負どころであった早稲田戦、専大戦ではすごくいい内容の試合ができました。

あと1点取られれば負けと言う試合も何回かありましたが、諦めずに最後の一球まで執念を出してやることができたので、最終的に良い試合ができ、ダブルス全勝といった結果に繋がったと思います。
◆私は選手のサポートや、万が一のために常に試合に出場できる準備をする立場でした。レギュラーではありませんが、いつでも試合に出場できる準備をしておくという難しい立場でしたが、常にモチベーションを高めておき、良い緊張感を持ちながらリーグ戦期間を 過ごすことができました。今年は昨年と比べて、渡辺さん、酒井さんの主力選手が2人 いなくなり、戦力的に少し落ちたと思いましたが、今年のチームは部員全員の決断力やチームワークといったところで、昨年のチームを上回っていたのではないかと思いました。それにより、リーグ戦期間前や期間中を、優勝に向けてとても良い雰囲気で過ごせていたと思います。今回のリーグ戦で優勝できた要因として、決断力やチームワークがとても  良かったこと、厳しい場面になっても、チーム全員が最後まで諦めなかったことも、

リーグ優勝できた要因の1つだと思います。

◆早稲田戦の6番7番の試合は応援している自分たちですら、とても緊張しました。

出ていた人たちは計り知れない緊張だったと思います。しかし、先輩方は普段の練習通り、またはそれ以上のプレーをしていました。

あれほど緊張した場面で自分の力を発揮できる強さが、僕にはないと思います。

そういう選手がたくさん同じ練習場にいることは、とてもありがたいことなので

今自分がいる環境を最大限活かすことがこの大学に行きたいと思った1番の理由なので、

与えてもらった環境で一生懸命願晴ります。

◆今回、人生初のリーグ戦を終えて感じた事は準備の大切さです。藤井主将や髙山監督がおっしゃっていた「今日の日までやれるだけのことをやってきた、後は天命を待つのみ」という言葉が、どれほど身に染みたかわかりません。

早稲田戦での死闘の上の勝利。

この事実は「思いは叶う」と普段、総監督から、ご教授頂いていることを、

体現してくれたように思います。

 

以上、全員の感想文の中から、ほんの一部を抜粋しました。

 

私は自分の原点になっているのが、「やってやれないことはない」

「やらずに出来るわけがない」 ・・・・・・ 「先ずは行動をすること」である。

人間は生きているといろいろなピンチに遭遇するが、そういう時は逃げるのではなく、  自分で行動を起こして、解決策を考えて立ち向かう。それがすべてのスタートで、

それを習慣づけていくことで、道は拓けていく・・・と信じている。

児玉圭司名誉総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 名誉会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督