『イチロー選手に学ぼう』
2008/02/01
水谷隼選手、全日本二連覇おめでとう。
絶対に優勝する・・・という思いが強く、その意志の強さによって
苦しい試合も乗り切れたのであろう。
攻守のバランスも良く、技術的にはサーブ力、多彩なドライブ
(特にナックルドライブ)、守りのロビング、球際の微調整など、
目を見張るものがあった。勝負には、「必勝」と「不敗」がある。
「攻」と「守」は並列ではなく、表裏の関係である。
必勝と不敗の考え方については、99年5月号を見て、参考にして欲しい。
現在でも、技術力はかなり高いレベルにあるので、
これからは、体力とイメージ力の強化に励み、
先手必勝の力を付けることにより、世界の強豪に立向い、
世界一を目指して貰いたい。
私は、プロ野球の選手でイチロー選手はダントツの本物だと思っています。
プロ野球の選手でも「本物」と「偽物」がいる。
高額な契約金や年棒を手にして、社交や酒、悪い遊びに溺れて
ダメになる選手達が多い。地位も名声もお金も手に入れて、
有頂天になった選手達は、その若さで28歳位までは乗り切れるが、
30歳を過ぎるとそのツケが体のあちこちに出てくる。
そして、30歳で改心しても、コツコツと努力してきた選手との差は取り戻せない。
アメリカ在住で、イチロー選手の遠征のサポートを一手に引受けている人が、
「イチロー選手は、365日、毎日欠かさず3時間は練習していますよ」
と語っています。つまり、イチロー選手は試合の3時間のために、
その何十倍もの地道な努力を積み重ねているのです。
イチロー選手はタバコは吸わない、お酒もシーズンオフに少し楽しむ程度という。
これも「自分で決めたことだから」とただ淡々と練習を続けるのだそうです。
ここからは、「プロフェッショナル 仕事の流儀」
というトーク番組からの抜粋である。
自分のバットを握った瞬間に、バットの先端にまで、神経が行き届く。
これは感覚です。自分の体の一部ですから。
人のバットを握ると、それは用具になっちゃう。体の一部ではなくなっちゃう。
だから、他人のバットは絶対に触らない。
プレッシャーは掛かる。どうしたって掛かるのだから、逃げられない。
重圧には弱かった。2006年までは。
脈は変わるし、気持ちは悪くなるし、家に持ち帰るし、ロクなことはなかった。
200本安打を達成するのに、170本を越えると重圧がかかる。
だから、本当は逃げたい。でも、今年はいけるぞ・・・と2007年になって、
やっと何かを掴んだ。安打数170本を超えたら、
+1+2と積み重ねればいいんだと。シアトルの少年達が、
イチローはオールマイティで、必ずやってくれる・・・と思っていますね。
すごい重圧は掛かるけど、重圧は受入れる。その重圧は心地よい。
今までの自分だったら、自分との闘いだった。
2007年になって、やっと人と闘えるレベルの自分になった。
両方意識できるようになった。
自分との闘い、敵との闘いが出来るようになった。
よく、人は満足してはいけない。満足したら、次に進めないと言いますが、
そういうことはない。満足は重ねるべきものだ。そうでないと、
人間のやる気は起きない。僕は満足はする。物凄く満足する。
次に進むために、満足する。まだまだ自分は満足してはいけない。
というのは、自分を苦しめるだけだと思う。
何かをしたら、満足したらいい。でも、その後で必ず何かが出てくる。
到達したら、必ず次のものが出てくる。
引退するときは、腹が出た時です。
スポーツで、腹が出てやれるスポーツは限られている。
野球もその内の一つです。腹が出たら、許せない。
今年は、2007年に掴んだものでやっていく。
2007年の200本安打は大きかった。俺は、これを作った・・・
と思っています。今年(2008年)は、不動の何かを掴む、重要な年になる。
「俺は、50歳で4割打者になりたい・・・」と言っていましたが、
日米通算4,000本安打の記録も、夢ではないような気がするし、
その真摯な道を究めようとする修行者のような姿に、
前人未到の記録が生まれるような予感がしてなりません。
イチロー選手は、間違いなく「本物」です。
児玉圭司名誉総監督
昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督
(株)スヴェンソン 代表取締役会長
日本学生卓球連盟 名誉会長
明治大学駿台体育会 名誉会長
- 昭和31年
- 世界選手権シングルスベスト16
- 昭和40年
- 第28回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和48年
- 第32回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和50年
- 第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督