兒玉語録7月号 『サッカーW杯で感じたこと』を掲載
2010/08/04
スポーツの持つ偉大な力を、改めて感じています。
今、行なわれているサッカーのワールドカップでは、
世界中のトップアスリート達が鍛え抜かれた心と技と体を張って、
母国の名誉をかけ戦っていて、
日本でも多くの国民が一喜一憂して、
感動と感激を味わっています。
一次リーグ最終戦では、背の高いデンマークを、
積極的な守備で押し込み、封じ込みました。
前の2試合が自信となり、勢いがついてきて、
チームのまとまりがよくなってきたことが、
勝因につながった・・・と思う。
勢いを持ったチームは強い。
だから、決勝トーナメントを非常に楽しみにしていたが、
残念ながらPK戦で敗れた。
勝負というのは「勢い」があるほうが勝つものだが、
パラグアイは、前半のボール支配率が61%だったので、
日本チームは「守り」に力を入れざるを得なかった。
自分達が苦しいときは、相手も苦しい。
「勢い」というと、攻めていく感じが強いが、
確かに、攻めている状態での「勢い」の方が言葉として
理解し易いものかもしれないが、
「受け」の場合にも、「勢い」というものがある。
「受けの勢い」というのは、守りではあるけれど、
決して手堅く守っているだけではないということです。
いつでも反撃をするが、その為にとりあえず守っているという「受け」。
自分がこの態勢になったら、必ず攻める・・・
という前提で受けているということです。
要するに、「勢い」にも-先の先、後の先がある。
「勝負」には-必勝(先の先)と不敗(後の先)の考え方がある。
必勝-先手必勝 攻撃は最大の防御なりという発想
不敗-攻撃にはスランプがあるが、守りにはない(少ない)
攻撃は精神的にビビったらどうしようもないが、
守りの一流の技術は90%~95%位は見込める。
また、守りの技術に自信があれば、精神的に余裕が出て、
攻撃も良くなってきます。
「攻」と「守」は並列ではなく、表裏の関係。
自分の態勢を固めておいて、敵の崩れるのを待つ。
不敗の態勢は自分で作り、勝機は敵の態勢から見つけ出す。
つまり、「タイミング」が重要であって、たとえどんなに実力があっても、
タイミングを逃す人は成功しません。
実力のある者同士が戦った場合には、
このタイミングというものが全てを決する・・・
と言っても過言ではない。
したがって、そのタイミングではないときに、
じっと我慢するのも「勢い」である・・・
ということを知っておくことが大事です。
人間というのは同じ時間の使い方でも、好きなことをしているときは、
苦しみを感じない。どんなに肉体的に厳しくても、
そこに楽しみがあれば疲れないし、
苦労することも楽しみになる。
好きなことは、時間を忘れて没頭することができる。
逆に、義務だと思ってやれば、訓練も楽しくないし、
無理をすればするほど、効率は悪くなる。
結局、何をやるにしても、とことん好きになった者が勝ちです。
どんな世界でも本当に優秀な人は、
自分のやっていることが好きで好きでしようがなく、
そのこと自身を楽しんでいます。
人生には目をつぶって、自分を忘れ、夢中になって頑張るしかない時期があります。
私はその期間を
「三年間、無我夢中で自分の夢に向かって集中し、没頭してみなさい。
そうしたら、その習慣が習性となり、
その後の人生が必ず良い方向に変わってくる」
と力説しています。
自分の描くイメージが自分の中で確実に実現できるようになった時、
心から喜びを感じ、楽しむことができるようになるものです。
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児玉圭司名誉総監督
昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督
(株)スヴェンソン 代表取締役会長
日本学生卓球連盟 名誉会長
明治大学駿台体育会 名誉会長
- 昭和31年
- 世界選手権シングルスベスト16
- 昭和40年
- 第28回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和48年
- 第32回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和50年
- 第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督