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児玉語録

児玉語録2月号 『脳の主は自分しかいない』を掲載

2011/02/04

 『脳の主は自分しかいない』

あらためて、今年の干支は「卯」。正しくは「辛卯」という。
辛は新を意味して、草木の新芽が生まれようとしている状態で、
卯の文字には、緑いっぱいの草木が広く生い茂る意味があるという。
新芽を出して、豊かに茂る年にして、
明治大学創立130周年、明治大学卓球部創部80周年という
大きな節目に貢献するために、飛躍する年にしていこう。
 
兎のつく、新しい年にふさわしいことわざとして、「兎の上り坂」
という言葉がある。
兎は前足が短く、後ろ足が長いので、上り坂は得意、でも下り坂は苦手。
兎が坂を駆け上がるのがとっても速いことから、物事がトントン拍子に
進むことのたとえで、「自分の得意分野で能力を遺憾なく発揮する」ことをいう。

また、誰よりも早く登りつめることで、情勢を見ることが早くできて、
有利に立つことができるという意味も含まれている。
卯年の1年、状況を素早く見極め、得意とする分野に力を注ぎながら、
たとえ道は険しくとも、兎のように軽やかに坂を上り、
右肩上がりの「上り坂」にしていきたいものである。

世の中で成功している人を見ると、みんな自分の得意なこと、
好きなことをやって、その強みを活かして活躍し、夢や目標を
実現しようとしている。

何かをやろうとした時の動機づけには、二通りある。

一つは、自分自身の中から、「是非やりたい」という、
心の中から自然に湧いてくる気持ちのモチベーション。
これに対して、他の人から押し付けられて、「やらなければならない」という、
半ば圧力によって、動かされているモチベーション。
簡単にいえば、ワクワクしてやるか、シブシブやるかの違い。

自分の心の中から湧いてきた動機づけによって、ワクワクしながら好きなことを
やっていれば、いうまでもなく、明るく楽しく積極的に取り組んでいるから、
いいアイデアもドンドン出てきて、自然とよい成果が得られる。
しかし、人から言われてシブシブやっていたのでは、意欲も湧かないし、
効率も悪いので、当然いい成果は得られません。

だから、自分の好きなことや長所を伸ばすことが大事なのです。

さらに、自分は「運がいい」「ツキがある」と感じている時は、
好きなことや楽しいことをやっていて、自分の能力が十分に発揮されている時
だと思って間違いない。

ここ10年位は「脳の時代」といわれ、「脳」というタイトルのつく本が
数多く出版され、脳ブームが加速されている。
脳の仕組みが分かってきた現在、我々にとって大切なことは、
自分の才能を如何なく発揮して、
脳がイキイキ、ワクワクするような生き方をすることが大事です。

「プラスのことを考えると、プラスの出来事が起きるし、
マイナスのことを考えると、マイナスの出来事が起こる」と、
私は今までもいろいろな機会に話をしてきた。

これは単なる精神論ではなく、
脳への刺激とその反応という物質的(感覚によって認められるもの)
なものです。

成功する人達は、困難な状況に直面すると、その状況を超えていく
楽しさを知っているから、
逆にワクワクして、ネガティブな感情を抱く前に、
それを超えていくポジティブな感情を生み出して、行動を起こしていく。

脳がポジティブな状態にある時は、脳内ホルモンのドーパミン
が分泌され、さらにその喜びを持続させようとして、
脳全体が活性化する。

つまり、ポジティブな思考には、脳の質さえ変えてしまう力がある。
私たちの「心=脳」を支配できるのは、自分自身だけ。
自分の思考が、自分の人生を創っているのです。

我々は、宇宙の神から「思いを実現する無限の才能」を
授かっているのだから、それを活かすことは、むしろ義務で
あるといえる。

自分の毎日の行動が、自分自身を作り、そしてその行動が
周囲の人にも影響を与えるのです。
脳は複雑なようで、単純なもの。
脳は騙されやすく、洗脳されやすいといわれている。
脳の主は、自分しかいない。自分だけだということを知っておこう。

明るく前向きに何事もポジティブに考えて、楽しく充実した毎日を
歩んでいこう。

児玉圭司名誉総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 名誉会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督