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児玉語録

児玉語録12月号 『人生観(夢・志)を持つことの重要性を再認識しよう』 を掲載

2011/12/03

『人生観(夢・志)を持つことの
重要性を再認識しよう』


今年は「人生はロマン」という書初めでスタートした。
ロマンとは夢であり、やり甲斐のことである。
若くて夢を持ち自分の目指していることを語り、
そのことに全身全霊をかけて打ち込んでいる人を見ると、
私はどのような分野の人でも応援したくなる。
厳しい状況の中で、自分のイメージを描き、
自分の存在を見せつけることができれば
「男のロマン」が叶えられたことにつながる。
ロマンを持っている人は、元気がいいし、
熱意に溢れていて心が熱い・・・と今年の1月号に書いた。

今年の明治大学卓球部は多くの選手(控えの選手を含めて)が
高い「志」と「ロマン」を持って期待に応えてくれた。

まず、1月の全日本卓球選手権大会で水谷隼が5連覇を達成し
天皇杯を獲得、幸先のよいスタートを切った。
その後新年度に入り、水谷、松渕、甲斐、北村の4年生が
1年生の若い力をリードし、思う存分羽ばたかせた結果、
グランドスラム(春・秋リーグ、インカレ)を達成。

そして、10月には全日本学生卓球選手権大会で、
1年生の神巧也がシングルス、神・平野組がダブルスで優勝し、
総理大臣賞を獲得した。
その勢いに乗って11月に行われた全日学ベスト16と
外国人留学生選手によって争われる全日本学生選抜卓球選手権大会で
神が完璧な勝ち方で優勝を遂げた。

このことで明治大学の130周年という大きな節目に
卓球部として貢献することができ、
併せて卓球部の80周年に花を添えたことを心から嬉しく思う。
これらの成果を挙げることができたのは、高山監督を始め、
コーチ陣が一体となった指導力を発揮したことによるところが
大きいことに、心から感謝したい。

 


元東北大学総長で「ミスター半導体」と呼ばれた、西澤潤一先生は、
『最近、自分でモノを考えられない人が増えている。
暗記した知識が頭に入っているだけで、その知識をつなげて
新しいことを考えることができない。それでは淋しい。
これではまるでロボット人間です。「人生いかに生きるのか」
という人生観を持っていれば、人生観の実現という目標に向かって
頭の中の知識を何とか生かそうと考えるようになる。

こう生きたい、こうなりたいというロマンがあるから、
人は猛烈に勉強するし、自主的に考えるようになる。

人は人生観をつかんでいれば、その実現のために持っている知識や
新たに得た知識を何とかして生かそうと、つないだり、並べたりする、
それが考えるということだ━と。まず、どう生きるのかをつかまなければ、
知識も経験も生かされない』と言っている。

優秀な選手は、自分の目標を設定しそれに向かって自ら行動を
管理することができます。
管理とは、自分の行動を整理整頓して、自分のやるべきことに
優先順位をきめて、それから行動を起こすことです。

そういうマネジメントをできる人が優秀な選手です。
逆に、自分の訓練や行動を管理できなければ、
いつも他人にやらされるばかりで、やり甲斐は感じられないでしょう。
自分の行動をマネジメントできるようになれば、練習は
がぜん面白くなる筈です。

可能性を発揮するためには、自分の得意なことを見極めて、
人間が誰でも持っている才能の芽を育てるよう
精魂込めて努力することです。
そして今、自分の状況を変えたいと思うなら、
自分に何か変えるべきことはないか考えてみる必要がある。

自分が目指したい“夢や志”がわからないのは、
「認識」に問題がある。
自分が目指したい“夢や志”を追求できないのは、
「やる気」と「行動力」に問題がある。
自分が目指したい“夢や志”を達成できないのは、
「理解力」「分析力」「判断力」「決断力」「実行力」に問題がある。

というようなことを良く考えて、そして一度立ち止まってもいいから、
自分の長所と短所を検討し、自分がどんな人間であるかを
じっくり考えてみよう。

そして自分を変える努力をしよう。
そうすれば自分の世界は大きく拓かれ、
すばらしい未来へ変わっていくことは間違いないと思う。

児玉圭司名誉総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 名誉会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督