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児玉語録

児玉語録1月号 『自分の力で運を開こう』 を掲載

2012/01/01

 『 自分の力で運を開こう 』
( ブランド力を大切にしよう ) 


明けましておめでとう。
今年の書初めは「自力開運」とした。
求めない者には与えられることはなく、
門を叩かない者は開けてもらえない。
運命の扉、志の扉、勝負の扉、人生にはいろいろな扉がありますが、
「扉を開く」ということは、門を叩くことから始まるのです。
新しい世界、未知の世界は、いくらでもあります。
扉の向こうには、かつて体験したことのない興奮が待っているものです。

人間、誰にでも、一生に何度か運を掴むチャンスが訪れることは、
間違いない真実です。それなのに、何故差がつくのか?     
それは、「運命の女神が目の前に来た時、自分の手で掴まえられるか、
気が付かないで逃がしてしまうか」の違いです。
「運も実力のうち」というのは、自分が常に問題意識を持ち、
向上心と判断力と実行力と勇気を持って、
努力しているかによって決まるのです。

「運の力」を呼び込むためには、
①「自分は運が強い」と思い込むこと
②「失敗」したらどうしようと考えないこと
③明るく、元気に、素直に、生きること
④運の良い、元気と勇気をくれる人と付き合うこと
⑤目的をもって勉強し、鍛錬すること
⑥周りの人を愛し、恩返しの心を忘れないこと
⑦謙虚で感謝の心を大切にすること
以上のことを心掛けていれば、必ず「運力」はついてくる。


2011年、明治大学は、創立130年を迎え、卓球部も、
創部80年の黄金期を迎えた。卓球部は、「明治がやらねば誰がやる」
「卓球界の王者たれ!明治大学」という、
熱い思いを掲げ、過去幾多の素晴しい選手とOB諸兄の努力のお陰で、
何回も黄金時代を築き上げ、卓球界はもちろんのこと、
学生スポーツ界の雄として、現役、OBの選手達が日本代表の中心選手
として世界の桧舞台で活躍し、母校と日本スポーツ界発展の
一翼を担ってきました。

この間の歴史を思うと、改めて明治大学卓球部の「ブランド」
の重みを感じずにはいられません。
「ブランドは、一朝一夕にしてできるものではない」といわれています。
昨今の激しい競争原理の中で、多くの企業や商品が生まれては
消えていく中、20年30年と発展し、成長を維持するブランドがあります。

私自身は、それを長年、スポーツと経営という2つの両面から、
“継続するブランドには共通のルールがある”ことを強く感じてきました。

● 第一は、「アイデンティティ(独自性)」が確立されている。
● 第二は、ブランドの「コンセプト(概念)」が明確である。
● 第三は、自分たちの「あるべき姿」がメッセージ化されている。
● 第四は、それが自分達だけでなく第三者にも共感されやすいものである。
● 第五は、そのブランドの価値を一人ひとりがしっかりと意識し、
自分の想いとして伝え続けていること。
要約すると以上のようなことであると思っています。

昨年出版した自著「強い自分をつくる法」という本の中にも書いたのですが、
私の好きな言葉のひとつに「良樹(りょうじゅ)細根(さいこん)」
という言葉があります。

これは、質の良いものは必ず地中の中に細やかな根を広く張り巡らしており、
根っこさえ育てれば、上の部分は放っておいても茂っていくという意味で、
まさにこれこそが、人でもチームでもその「良樹」を育み、
成長を保持し続ける「細根」即ち、人やチームの見えない
ブランド価値だと思っています。

何十年もの間、学内や卓球界、スポーツ界から頂いている信用と信頼に応え、
自分も仲間と共に「誇り」と「感動」を持って人生を歩む。
そして、チームや母校に愛着と愛情を持つ。
そういう高い感度を持った選手を数多く育てることが
大事なことだ・・・と思っている。

卓球部の存在が、部員一人ひとりにとって、人間的成長と
修養の場であることを願う。

明治大学は、また黄金期を迎えて、これからもっともっと日本や世界の
卓球界の良樹として、大きく成長していくためにも、選手一人ひとりが、
さらに個々に細根となる努力を重ね、
人間力を身につけていくことが大事なことである・・・と
新しい年を迎え強く思った。


 

児玉圭司名誉総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 名誉会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督