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児玉語録

児玉語録9月号 『200号記念に思う』『ロンドン・オリンピックの教訓を活かそう』 を掲載

2012/09/03

 『200号記念に思う』
『ロンドン・オリンピックの教訓を活かそう』


私は、この「児玉語録」を書き始めてから17年目、今月で第200号になります。
何故、毎月かかさずにこんなに長く続けて、
これからも続けていこうと思っているんでしょうか。

一番の目的は選手を始め関係者のみなさんに成長して貰いたいからです。

みなさんが成長して良い『場』ができると、そこにはよい空気が流れ、
個人もチームも成長するからです。

私は、みなさんが成長していることを、見たり聞いたりするのが凄く楽しみで、
大好きです。成長というのは、良い意味で変化していることです。
とくに自分の立てた目標に向かって懸命に努力している人は、
人間としても向上していますし、可能性と一緒に走っているようなものです。

例えば、数ヶ月前は素直でなかった人が、急に素直な人に変化して、
そして、又、次に会ったときには、それが『地』になっている人が、
最近、私のごく近い関係の人の中にいました。

正直いってカッコいいし、嬉しかったです。
例えばそれが小さな子供でも嬉しいですね。

年令は関係ないです。 20才でも、30才でも、或いは、
60才をすぎても70才を超えても、会うたびに成長されている人もいます。

それは成長ということに“欲”を持っていて可能性に
チャレンジするのが好きだからです。

自己紹介をするとき、いつも蚊の鳴くような声で何を言っているのか
解らなかった人が、急に背筋を伸ばして、腹の底から出るような
大きな声で話をする。
なんていうのは、これ又カッコいいし、手放しで嬉しい。

「ひたすら」という言葉があります。
辞書で引くと「ただその事だけに心が向かうさま。一途」とあります。

「ひたすら」には不思議な力があります。

人は誰でも、自分の人生の中で何かに打ち込んで一途に取り組んだときの
エピソードが強烈な思い出となって残っているのではないでしょうか?

私自身も学生時代、練習中にぶっ倒れる位「ひたすら」努力したことが
自分自身の誇りや自信につながって、今に活きています。

ということは「ひたすら」は他人に感動を与えるだけでなく
自分自身にとってもよい影響を与えていることがわかります。

だからこそ「ひたすら」に何かに打ち込む充実感が必要で
この「ひたすら」さを忘れることなく、生きていければ、きっとそこには、
より誇らしく、より楽しい人生が待っているのではないかと確信しています。


ロンドン・オリンピックへ行き日本卓球選手団の試合をつぶさに観て
懸命に応援してきました。

強い思いで、どの位準備してきたか、その「準備力」と、
その思いを発揮させ得る「気迫」と「集中力」がいかに大事であるか・・・
ということを改めて認識させて貰いました。

女子は今迄勝ったことのないシンガポールとの準決勝、
トップに出た福原愛選手は今回銅メダルのフェン・ティアンウェイ選手に対し、
凄い気迫と集中力で最後まで思い切りのよい攻めの姿勢を変えず戦い抜き、
エースとしての役割を果たし、その気迫が石川、平野選手にも影響を与え、
全員がすばらしい内容で、銀メダルを確定させました。

その後の記者会見などの応答を見聞きし、福原選手がアスリートとしても、
人間としても、大きく成長していることを感じ、心から嬉しく思いました。

男子は女子よりも銀メダルは固く、中国にも一泡吹かせられるのではないか・・・
と思っていましたが、残念な結果となりました。

謙虚に反省して一から出直す以外に道はありません。
謙虚にしていると味方が増え、その人達に感謝の気持ちを伝えると
さらに応援してくれるようになります。

何をやってもツイてる人と、何をやっても空回りする人の差はこういう
ところにもでてきます。

「運」を引き寄せるには、心構えや物の考え方、要するに人間力を磨いていく
以外には道はないのです。

 

児玉圭司名誉総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 名誉会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督