児玉語録2月号『小保方晴子さんの執念と情熱による快挙に学ぼう』を掲載
2014/02/12
水谷隼、全日本6度目の優勝おめでとう。
昨年の10月、彼と食事をしながら、いろいろ話し合ったとき、
彼はその中で、「今度の全日本は絶対にリベンジします」と決意を語った。
私は常に、「言葉には力がある」と強調しているが、
彼はそのことを全日本の大舞台で実証してくれたのである。
もう一度強調しておきます。
「強い言葉からは、強い結果が得られる」
「明るい言葉からは、明るい結果が得られる」
「言葉は意識を変え、意識は行動を変え、行動は結果を変える」
このことは頭で理解するだけではなく、腹に落とし込み、心で納得しよう。
町、もよく頑張った。
逆転逆転の連続で、大激戦を制し、全日本の舞台で決勝に進出し、
水谷と覇を争ったことは、町のこれからの卓球人生にとって大きな財産となり、
この節目をキッカケに誇りと自信と悔しさが交錯する気持ちをバネに、
一段上の更なる飛躍を期待したい。
さて、この語録を書き始めていたら、凄いビッグニュースが飛び込んできた。
小保方晴子さんという30歳の若き女性研究者が、
従来の常識を打ち破る革新的な万能細胞「STAP細胞」を開発したという。
一度は役割が決まった細胞が若返って、
血液になり、脳になり、内臓になる、といういわゆる万能細胞である。
細胞の時計の針を巻き戻し、さまざまな臓器や組織の細胞に育つ過程を
研究者は「初期化」というそうだ。
取り出した細胞を酸性の溶液に漬けるという単純な刺激で初期化した。
余りにも簡単すぎる技術だったので、この常識破りの成果を、
世界的に権威のある英科学誌ネイチャーは、
「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄している」と酷評した。
しかし、「STAP細胞は必ず人の役に立つ技術だ」との信念を貫いて、
膨大なデータを集め、今回の成果にこぎつけた。
当事の実験データだけでは証明することが出来ず、
周囲の研究者からは「間違いだ」と言われ、
悔しくて泣き明かした夜は数知れないという。
「何度もやめてやろうと思ったけれど、
あと1日だけ願晴ろうと続けてきて、
いつの間にか今日に至った」と話している。
この型破りで、先入観のない柔軟な発想に
私は表現し切れない程の驚きを覚えた。
国内ばかりでなく、世界中の専門家が、生物学の常識を覆す成果に、
「革命的だ」「衝撃を受けた」「驚愕した」といった賛辞を寄せている。
小保方さんは、中学生のときの作文で、
「人間には努力を積み重ねていくすばらしさがある。」━と書いている。
小保方さんの
「可能性を信じて止まない心」
「絶対に諦めない執念」
「負けず嫌いな心」
「強い情熱と信念」
「夢に向かって挑戦する情熱」
などに感動し、勉強させられた。
このニュースは日本の卓球界においても物凄い刺激を受けるニュース
であると私は受け止めた。
人間の思考とは、繰り返し考えることによって高まるものである。
つまり、すばらしい考え、独創的なアイデアや新たな発見は、
何度も何度も思考することによって生まれる。
日頃から物事を正しく捉える観察眼を磨き、
問題について繰り返し深く考える習慣を身につけていけば、
ここぞというときに決断・実行を早くすることができるようになる・・・と
林成之先生(脳科学者)は言っている。
1950年代に、世界の卓球界の覇者として君臨していた日本。
中国は、その日本人が同じようなものを食べ、
同じような体格で、男性も女性も強い、
しかも、卓球は寒い地域でも暑い地域でも出来る。
周恩来さんを始め、国のバックアップ体制のもと
日本に勝つためにはどうしたらいいか、
数年間に亘って、徹底的に研究して開発した技術が「前陣速攻」。
その中国が覇権をにぎって数十年、もちろん技術面では変化はしているが、
今の中国には、つけ入るスキはいくらでもある━と私は確信している。
小保方さんの快挙のニュースを聞いて
大きな刺激を受け、打倒中国を実現させる・・・
という夢が目標となり、強い情熱と信念を持って、喜びを感じつつ、
挑戦するリーダーと選手の出現を心から期待し待ち望んで止まない。
児玉圭司名誉総監督
昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督
(株)スヴェンソン 代表取締役会長
日本学生卓球連盟 名誉会長
明治大学駿台体育会 名誉会長
- 昭和31年
- 世界選手権シングルスベスト16
- 昭和40年
- 第28回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和48年
- 第32回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和50年
- 第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督