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児玉語録3月号『人生の師 舩井幸雄先生 ありがとう』を掲載

2014/03/05


私が人生の師として尊敬し、家族ぐるみでお付き合いをさせていただいた、
船井流経営法の神さまとして多くの船井ファンに愛された、
舩井幸雄先生が1月19日に永眠されました。
そこで先生から頂いた教訓のほんの一部ですが、語録に収載します。

それは1992年の初夏の頃でした。
ある経済誌を見ていたところ、私では思いもつかないような発想をされる方だな…
と思い、興味をひかれました。その執筆者が舩井幸雄さんでした。
その後、講演も聴きに行きました。

そして、この先生に是非お会いして教訓を得たいと思いました。
私は思うと直ぐ行動に移します。
早速電話をして1ヵ月半後にアポイントをとり
舩井先生とお会いすることが出来ました。

私は過去、「本当に俺はツイている」と思い上がっていました。
それが舩井先生とお会いして、
そのお考えにふれ、ガツンと強い衝撃を受けました。
当時の私は負けず嫌いで、謙虚でなく、素直さがなく、傲慢で、
自分が言い出したことは、とことん最後まで我を張り通す典型的な人間でした。

舩井先生は、私の想像をはるかに超える懐の深さで、
私を包み込んでくださいました。

人間というのは、大自然の力や人間関係、
物理的な諸条件によって生かされている、
生かされている心になりきることにより感謝の念が湧き、真の幸せが得られる。
「だから運をよくしようと思えば、結局、心を養わねばならない。」

成功する人の特性としては、プラス発想・素直・勉強好き・挑戦好き・謙虚で笑顔・
長所伸展・執念・強気・思いやりがある。

また逆に否定・批判・傲慢・不遜・短気などの持ち主は、
今よくても将来は運の神が逃げてしまう…。
など例を挙げながら教えていただきました。

こうした先生のお話は、すーっと心に沁み込んできました。
そして、自分でも驚くほどに、短時日で心を入れ替えることができ、
社員に対しても、周囲の人々に対しても、感謝することを覚えました。

ちょうど、ドイツのカーリン社買収交渉が進展中でしたので、
大所、高所からのアドバイスもいただきました。
お陰様で、非常によい条件で契約も成立し、
その後、カーリン夫妻と私共夫婦は、実の兄弟以上の絆で結ばれております。

当社の10周年記念式典(1994年2月)では、
「これから10年の生き方」という演題でご講演を賜りました。

その内容は、
「今、企業経営の目的は何か」ということで、大きな変革が起こっている。
これを間違った会社が全部駄目になっているんです。

世界一儲かっていたIBMが、たった10年間で世界一儲からない会社になった。
これが民営の自由企業です。だから安心できないんです。
日本だったら、例えば日本航空に入った、新日本製鉄に入ったなら、
大丈夫と言えるかもわかりませんが、やはりそんなに安心ではないようです。
あっという間に企業はだめになるということをまず知っておいてください。

これから10年どう生きたらいいか、
生き方を考えるときに、私の立場からいうと、教育性の追求というのが
伸びるための基本的なポイントですから、
人間性を追求するような生き方をするのが一番いいということです。

人間は、その特性として、すべての動植物のDNAを持っているんです。
したがって、とんでもないことができて当たり前、ということを、
ひとつ知っていてほしい。

そして、理性的な脳を持っています。
人間は本能情動理性という全く相違う3つの脳を一つの頭の中に持っています。
これは、それぞれの主張することが違うんです。それで、困るんです。
本能としてはもっともっと酒を飲みたいと思うが、
理性はもうやめておこうと。どちらに従うか。

「人間的であるということは理性的であること」と私は言っています。

もちろん情動的、本能的も人間的ですが、
理性は人間だけにしかないものですから、「理性的であれ」ということです。
「理性的であれ」ということは、意思が強くあれ。
意思を強めるという役割と使命感がある。

意思を強めるというのは、良いと思うことを実行し、
悪いと思うことをやめることができるのです。
これが理性です。


本能的、情動的では人間的でない。これは動物的です。
理性的であるのが人間的であることの一つの大きなポイントだと、
私は考えているんです。

私は、コンサルタントとして一生懸命考えました。
伸びる会社か、伸びない会社かというのは、そこのトップ一人で決まる、
ということがわかったんです。

例えば、アメリカのようなあんな大きな国でも、
カーターからレーガンに代わったら、非常に変わった。
東京都も美濃部さんから鈴木さんに知事が代わったとたんにコロッと変わりました。
いわんや、小さな会社や組織は、トップ一人が代わったら、コロッと変わります。

トップ一人で99.9%決まる、というのがわかり、
どんなトップなら伸びて、どんなトップなら伸びないか、ということもわかりました。

三つの条件がかなうトップならグッと伸びるんです。
その一つでもだめなら伸びないんです。
簡単にいいますと、
一つは素直な人、二つ目が勉強好き、三つ目がプラス発想型。
この三つだけきちっとやる人なら伸びる、ということに気がついたんです。
これは企業のトップだけでなく、成功を目指す全ての人に当てはまります。

最近の状況や、日本航空の例をみても、
20年前にこのようなお話をされた舩井先生の先見性には驚くばかりです。

素直な人は、多くのことを素早く吸収することが出来るし、
そのことを役立てることができます。
だから、情報もたくさん入ってくるようになり、人も集まってきます。
勉強好きな人は、好奇心が強く、知らないことを知りたいと思うので進歩が早いし、
成長のスピードアップにつながります。
プラス発想とは、自分の身辺に起こることは全て自分が引き寄せたことだから、
まず肯定して感謝し常にプラスの方向に考えることにより運とツキを運んできます。

このことが、その後の私の経営観の土台となり、
お陰様でスヴェンソン・グループも順調に成長させていただいております。

だから、私は卓球部のミーティングでは、
基本となる土台作りの話を徹底的に例を挙げながら話をするようにしています。
いわゆる戦略面の話が殆どで、たまに戦術面についてもアドバイスはするが、
技術面については監督・コーチに任せてなるべく口を出さないようにしています。

日頃、教えられることの多かった私は、師を失った感慨尽きぬものがあります。
永い間、本当に有難うございました。
心から、ご冥福をお祈り申し上げます。

児玉圭司名誉総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 名誉会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督