児玉語録4月号『心機一転 大きな目標を当たり前のレベルにしよう!』を掲載
2014/04/10
いよいよ新年度が始まった。
特に今年は、5年ぶりで、日本で世界卓球選手権大会(4/28~5/5於東京)が
開催されるので、日本選手の活躍が期待され、盛り上がることと思う。
君達もこの新年度という大きな節目を迎え、
心機一転大きな夢と目標に向かって羽ばたいて欲しい・・・と心から願っている。
最近、15年程前からお付き合いをさせていただいている村上和雄先生
(遺伝子工学の権威で筑波大学名誉教授)と食事をしながら、お話を聞かせていただいた。
『今や、遺伝子の解読についてはものすごく研究が進んでおり、
そういう中で僕たちもたくさんの遺伝子暗号を読んでいました。
稲だけで1万6000個もの遺伝子がありました。
研究チームの中で若い人たちが頑張ってくれてその成果があがったんです。
研究という世界は、「勝つか負けるか」1位のみを競い合う世界なんですね。
だから金メダルしか世に出ることはできない。それが実情なんです。
2位以下は、「はい、ご苦労さんでした」と言われて、陽の目を見ることはありません。
登山家の三浦雄一郎さんの事例を紹介します。
あの方の偉業は人類の限界に挑戦したということです。
2年半くらい前に彼の自宅にインタビューに行きました。非常に居心地が良かったです。
あれだけの偉業を果たして、なお、75歳で、再度5年後に3度目のエベレスト登頂を決心。
そして、2013.5.23実現したあの意思とパワーはどこから来るのか、非常に興味がありました。
三浦さんが特別な遺伝子を持っているというわけではないんです。心の強さなんですね。
その心のあり方がスイッチをONにする。
スイッチONにするということは、「決心」するということなんです。
一度決心をすると、自らトレーニングを始めます。
トレーニングによって体のスイッチがどんどんONになっていくんです。』
人生には、こちらが求めていると、それに関連したことに出会う━という
何か不思議なことが起こるものです。
論理的、科学的には説明しにくい不思議な現象が起こるというのです。
これは自分の中で普段は働かなかった遺伝子が働き出した、ということです。
やはり生命科学の分野から見ても、大きな夢を持ち、情熱を持って、
明るく前向きに努力する、そして喜んだり、感動したりすることが、
スイッチをONにする最も大事なことであると理解が出来ました。
目標を達成するための方法論については、参考になる本が溢れています。
マインドが大事(弱い自分に打ち克つ方法・モチベーションを高く保つ方法)、
いや、スキルが大事なんだ・・・といろいろな意見があります。
これは、どちらが大事だということではなく、どちらが欠けていても目標達成は不可能です。
もっと言えば、自分の気持ちを高めてくれるのは、結果ですから、
大きな夢や目標を獲得するためには小さな目標を達成しながら成長していくことです。
オリンピック金メダリスト、優勝チームの常勝監督、時代をリードした企業経営者もそうです。
歴史上の偉人や戦国武将も、戦争という、負けたら命を失う戦いの中で、
結果を出してきたわけですから、その生き様はすごいです。
私はスポーツでもビジネスでも、芸術・芸能の世界でも、勉強や仕事でも、
本質的に全く同じだと思っています。やっていることが違って、方法論が違うだけです。
未来に対しての自分のイメージができてからの心構え、前向きな毎日の行動が
習慣を作り上げていくわけです。イメージは目標達成のための明確なビジョンです。
全国大会に出たいと思っている選手と、日本一になるんだと本気で考えている選手と、
入賞したいと思っている選手と、では取り組み方が全然違います。
全国大会に出場することが目的で、全国大会に出てから、日本一を目指すという発想は駄目、
日本一になるという目的のために願晴っていたら地区大会で優勝し、
全国大会に出場するという結果が勝手についてくる。
まずは日本一と決めて、ここを中心にした生活改善とか思考改善をして、
心・技・体の訓練内容や行動計画を立てていくことです。
未来に対する目標は2種類ある。1つは「目標」、もう1つは「当たり前」です。
熱が出ようが、体に故障が出ようが、家族のご不幸があろうが、
どんな厳しい状況に陥っても、目標を当たり前のレベルに到達していれば、
目標は必ず達成できます。100%勝てます。
そのために必要な力は、情熱・執念・忍耐力です。
心は大きな困難や悲しみを乗り越えたときや、大きな仕事を成し遂げたときだけ、
強くなるのではありません。
成果を出すために、自分がやると決めた行動を、何があっても絶対に継続してやり通す。
そういうプロセスで心は強くなっていくのです。
最後に一言、
「とことん自分はついているんだと思い込め、つかないと思ったら、最後、運に見放される」
これは以前、小泉元総理が現安倍総理に言った言葉です。
« 児玉語録3月号『人生の師 舩井幸雄先生 ありがとう』を掲載 | 児玉語録5月号『世界卓球を振り返り、感じたこと』を掲載 »
児玉圭司名誉総監督
昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督
(株)スヴェンソン 代表取締役会長
日本学生卓球連盟 名誉会長
明治大学駿台体育会 名誉会長
- 昭和31年
- 世界選手権シングルスベスト16
- 昭和40年
- 第28回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和48年
- 第32回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和50年
- 第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督