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児玉語録

児玉語録7月号『良いチームワークを築き共に栄えよう』を掲載

2014/07/05


いよいよ、グランドスラムを果たすべきインカレの時期がやってきた。
主力の選手達は中国オープン、韓国オープン、ジャパンオープンと試合が続き、
調整が難しいと思うが、体調管理を万全に整えること。
特に精神面での気持ちの切り替えが最も重要だ。

この短い日時で、いかにリラックスし、そして集中することができるかが勝負だ。
緊張のしっぱなしというのは最もいけない。
集中力ほど頼りになり大切なものはない。
何故かといえば集中力が高まっているときは、
自分の持てる力を最大限に発揮する状態を作り出せるからだ。

その集中力を高めるためには、リラックスと集中を繰り返し行うこと、
そして、出来る限りシンプルにものを考え、イメージすること。
やるべきことが限られれば、
エネルギーが傾注できるので、集中力が増していくわけです。

人生をドラマにたとえるなら、自分の人生の主役は自分です。
しかし、自分の夢を実現していくための人生ドラマには脇役が必要で、
その脇役によって自分の夢を実現していくエネルギーとなり、
脇役のサポートによって自分の人生は花開いていくのです。

Aさん、Bさん、Cさん・・・・・人生には様々な脇役が現れてくる。
その脇役を大切にするしか、自分の人生、
花を咲かせる道はないと言っても過言ではない。

そこで、逆にAさんにとっては、自分が脇役です。
Aさんには、Aさんの人生の目標や実現したい夢がある
━そこに私が脇役として登場する。
Aさんの人生の価値が、私を通して高まっていくかどうか、それによって、
脇役としての私の価値が決定するのです。

私と出会うことによって勇気が涌き、感動を与えることができれば
Aさんにとって私は名脇役となれるわけです。

お付き合いしていて、ほっとする人と疲れる人がいる。
ほっとする人というのは、話を良く聞いてくれる人、脇役に徹してくれる人です。


国際宇宙ステーションに半年間滞在し、日本人として初の船長を務めた、
宇宙飛行士の若田光一さんが、5月14日に無事地球に帰還した。

若田さんは、アメリカ・ロシアの飛行士5人のメンバーに常に気を配り、
日本人らしい「和の心」をモットーに心を通わせていた。
気配りがあって、責任感の強い人で、精神的にも落ち着いていて、
アメリカばかりではなく、ロシアやヨーロッパにも、
「コーイチのためなら労を惜しまない」と言ってくれる関係者は多いとのこと。

宇宙での仕事の緊張に加え、異文化の飛行士達の体調や作業を管理する
という大任を果たした。
若田さんの成し遂げた仕事を見守っていた我々、
特に多くの子供たちにとっては、
同じ日本人として非常に“誇り”を感じたに違いない。

菅官房長官も記者会見で、
「日本流でリーダーシップを発揮し、見事任務を果たした。
日本人にとって非常に誇りに思う」と語っていた。

人と人とは、いろいろな関係があって、繋がりあって世の中は成り立っている。
だから、ひとりだけ繁栄したり、何事もうまくいくということはあり得ないのである。
自分さえよければいいという考え方は、思ってもいない対立を生んでしまうだろう。

お互いが、それぞれの力を活かしあって、共に栄えることを願って努力すれば、
心も豊かになり、自分もチームも夢の実現に近づいていく。
そして、チーム全員の思いが一致し、強い意識で一体感を持てば、
それは凄いエネルギーとなって発揮され、大きな感動を生むことが出来る。

自分の成長は、自分自身のためであることは、間違いないが、
しかし、その一人ひとりの成長は、実は周囲の人達の向上につながり、
そしてチーム全体を進歩発展させる原動力となるわけで、
そのことを強く意識して、一人ひとりが自己研鑽に励んで欲しいと思う。

最後に私が尊敬し、大好きだった、
第一次南極越冬隊長・西堀栄三郎氏の言葉です。

「チームワークの要件は目的に対する共感そして誇りそして恥の意識である。
同じ性格の人たちが一致団結していても、
せいぜいその力は「和」=(足し算)の形でしか増さない。
だが、異なる性格の人たちが団結した場合には、
それは「積」=(掛け算)の形でその力が大きくなるはずだ」

「チャンスは逃すな。まず決断せよ。石橋を叩くのは、それからである」
 

児玉圭司名誉総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 名誉会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督