児玉語録12月号『私の好きな言葉』(熱意・努力・素直・謙虚・感謝)を掲載
2015/12/03
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2015.12.1
『私の好きな言葉』
(熱意・努力・素直・謙虚・感謝)
「今まで努力してきた成果を思う存分発揮され、熱意をもって、
活気溢れる熱戦を期待しております」
これは、私が日本学生卓球連盟の会長として、全日本学生卓球選手権や、
大学対抗選手権大会の開会の挨拶で、最後の締めくくりに必ず使う言葉です。
私は以前から、「頑張る」という言葉が好きではないので、
熱意とか、努力という言葉を多く使ってきました。
何故か?・・・といいますと、「頑張る」という言葉は、
大辞林によると、一生懸命努力(忍耐)する・・・という意味は勿論ありますが、
- 我意を張り通す。どこまでも強く主張する。
- 自分の意思を強く押し通す。
という頑なな心が見える意味があるから、あまり好きになれないのです。
でも、「がんばる」「がんばろう」という言葉はどうしても使いたくなるし、使わざるを得ないことが多くありますので、色々悩んだ結果、「願晴る」という造語を考えました。
「願いを込めて晴れやかに努力する」という意味です。
最近、私の周辺では、この「願晴る」が定着しつつあります。
「熱意」、「努力」、「素直」、「謙虚」、「感謝」 は、大好きな言葉です。
「熱意」(大辞林)
- 熱心に打ち込む
- 一つの物事に精神を集中して、一途にそれに打ち込んでいる気持ち。
熱意は自分を動かし人をも動かす力があります。
あらゆるものを活かし、動かす原動力です。
たとえ、知識や才能が少しくらい乏しくても、強い熱意があれば、
多くの人が必ず加勢してくれます。
そのことによって自分の環境が変わり、物事を成し遂げる大きな力となります。
また、熱意さえあれば、必ず自分でもよい知恵が生まれ、
成すべきことが見えてきて、自分の将来が良い方向に開けてきます。
「努力」については、先月(11月号)の「私の素質論」で詳しく述べました。
「素直」
シドニーオリンピックの女子マラソンで優勝した高橋尚子選手について、
小出監督は、彼女の「強さの最大の秘密は素直さ」だと言っています。
彼女が強くなってきた大きな理由を一言でいえば性格だ・・・と。
強くなりたいという一心があって、絶対に諦めないで、非常に素直。
強くならない子は自分の心を閉ざしてしまっている。
いくら私の経験で強くなるように指導してあげても、心の扉を閉めているから
入ってはいけないのだ。
高橋はいつも開けておいてくれるから、私がいうと心にスーっと入っていって、大きくなる。
また言うと、また大きくなる。 どんどん大きく伸びる。
高橋の強さの秘密はそんな素直さなのだ・・・
「謙虚・感謝」
3年前の2012年に24歳という若さで「最多勝」を勝ち得た。
騎手の選手寿命は長く、経験や技術がものを言う競技なので、若手の台頭は難しい。
そこへ、デビューが18歳の彼が彗星のごとく現れ、6年目にしてトップの座に躍り出た。
JRAの斡旋で調教師、坂口正大氏の厩舎の所属騎手となる。
弟子を取らないことで有名な坂口氏が俊少年を引き取ったことは、関係者の耳目を集めた。
坂口氏は騎乗の訓練だけでなく、挨拶などの礼儀作法から、
敬愛される人間になるにはどうすればいいかまで、手本を示し、指導した。
「武豊さん、福永祐一さん、名騎手たちの馬を下りた時の姿を見ておきなさい、と」
そこで見たのは、謙虚さとあらゆるひとたちへの感謝の気持ちだった。
「好かれる人間が勝利に近づくのだと思いました。━と彼。
トップを切って、ゴールした時は一瞬音が消えるそうだ。
続いて自分の馬の蹄の音がかすかに響く。
あの爽快感を一度味わったら最後、永遠に勝利を目指したくなる、という。
「人間を賢くするのは、未来への期待です。
未来の期待を心の内に失わない人は いつも若々しい」という言葉があります。
「未来の期待」とは、どんなつらいこと、苦しいことがあっても、
自分への期待を失ってはいけないということです。
希望の火を心に燃やし続けている限り、
人は若々しく、明るく、前向きに活動することが出来ます。
心の若さこそ全ての若さの源泉です。
児玉圭司名誉総監督
昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督
(株)スヴェンソン 代表取締役会長
日本学生卓球連盟 名誉会長
明治大学駿台体育会 名誉会長
- 昭和31年
- 世界選手権シングルスベスト16
- 昭和40年
- 第28回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和48年
- 第32回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和50年
- 第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督