児玉語録8月号『強い心の鍛え方』を掲載
2016/08/01
『強い心の鍛え方』
インカレ(全日本大学総合卓球選手権大会)2年ぶり、16回目の優勝おめでとう。
準決勝、決勝と、苦しい試合を乗切り、団結力を発揮して、優勝できたことは、
町主将を始め、4年生の強い思いと心が結束力を呼び、
それぞれが、自分の力を発揮できたことが最大の勝因であったと思う。
そのことが非常に嬉しかった。
そして今月は、いよいよ8月5日からリオ・オリンピックが開催される。
水谷隼と、丹羽孝希の活躍が楽しみである。
たった3人の日本代表の中、この二人が主力として、中国に一矢報いることができるか?
私は、可能性はある!と、信じているので、
大きな期待を持って吉報を待ちたいと思っている。
大きな目標に向って強い心で立ち向かい、思いを叶えてもらいたいと心から願っている。
松下幸之助さんの言葉がある。
「困難に直面すると、却って心が躍り、敢然と戦いを挑んでこれを打破していく。
そんな人間でありたい。
困難に直面して、一念が後退することなく、むしろ心が躍るというのは、
その困難と一体になることです。 一体となって、困難を乗り越える。
そこに言い尽くせない人生の深い楽しみがある。 そういう楽しみを味わえる人になりたい。」
最近、メンタル予防策として導入され、注目を集めているのが「レジリエンス」です。
もともと生物学で「復元力」を意味するこの言葉は、
心理学では、「逆境やストレスに適応して立ち直る力」という意味で使われるようになりました。
活き活きと活動するためには、精神的なタフネスさと、立ち直る力の両方が必要で、
どんな環境でも、負けない心をつくるレジリエンスを高めることが重要です。
「ストレスに負けない人」になるための基本は、ネガティブ感情を管理することで、
強いストレスを感じたときには、まず感情をクールダウンする習慣を持とう。
最適な方法は、「3分間呼吸法」です。
ゆっくりと8秒ほどかけて息を吸い、5秒ほど息を止め、8秒ほどで息を吐く、
この深呼吸を繰り返します。
3分もすると、心に落ち着きが戻って来るはずです。
ネガティブ感情をそのままにしておくと、延々と繰り返されてしまう。
ネガティブな感情は、しつこいことが特徴で、自分でもコントロールできなくなるのは、
感情のネガティブ連鎖が起きているからです。
「ネガティブ感情の気晴らし」をする習慣を持っているかどうかが、
長い人生において、健康で、生き生きと働き続けられるかどうかを左右する。
その日生まれたネガティブな感情は、その日のうちに気晴らしすることが大事です。
気持ちを切り替えるポイントは、自分が好きで没頭できるものを選ぶことです。
運動をしたり、音楽を聴いたり、深呼吸や瞑想をしたり、思いのまま何か書いたり、
こういう習慣を持って実行すれば、「切り替え」が上手くできるようになります。
レジリエンスの高い人は、困難な問題に直面しても、
「自分なら乗り越えることができる」という自信を持っている。
これを心理学では「自己効力感」といいます。
自分の「強み」を把握して、それを試合や仕事に生かす習慣を持つことが大事です。
自分の強みを活用している人は、
自分を肯定し、自分の価値を認める心理状態になり、
自己肯定感を維持することができます。
だから、困難なときでも、「自分は負けない」と感じる心の強さが得られます。
強みを認めることができる人間になる第一歩が、自分の強みを把握することです。
自己の強みを知らない人には、他人の強みを見抜くこともできません。
レジリエンスの高い人ほど、自分でできることの限界を理解しています。
自分1人の力で、すべての問題を解決しようとは考えないで、
周りの助けを積極的に求める傾向があります。
だからこそ、自分が相談でき、支援をお願いすることのできる「サポーター」を
普段から意識しておくことが重要になります。
心理学の研究では、感謝の感情が豊かになると、
ストレスに対しての耐久力が付いてくることも分かっています。
免疫力も強化されるため、風邪や頭痛になりにくくなります。
さらには、対人関係の潤滑剤になるのが感謝の感情です。
良い人間関係を保つには、感謝し合うことが大切です。
物事はすべて見方次第です。
どんな辛いことでも、心の持ちようによって耐えることができ、
明るく、前向きに立ち向かうことができるようになる。
そう考えれば、将来は楽しいことがいっぱい待っていてくれるだろう。
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児玉圭司名誉総監督
昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督
(株)スヴェンソン 代表取締役会長
日本学生卓球連盟 名誉会長
明治大学駿台体育会 名誉会長
- 昭和31年
- 世界選手権シングルスベスト16
- 昭和40年
- 第28回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和48年
- 第32回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和50年
- 第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督