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児玉語録9月号『リオ・オリンピックの感慨そして、山中伸弥先生との対談』を掲載

2016/09/01

       
『リオ・オリンピックの感慨
そして、山中伸弥先生との対談』
 
リオオリンピックは、数々の名勝負と、感動のドラマを生んで終わりました。
先頭を切った水泳、そして、柔道の活躍、内村航平率いる体操
女子レスリングの嬉し涙、悔し涙、女子バドミントンの逆転劇など、
我々に、多くの感動を与えていただき、
日本中に明るい風を吹き込んでくれたように感じました。
 
特に今回、日本のメディアは、卓球の活躍を大きく報道してくれました。
結果、男子団体銀メダル女子団体銅メダル
男子シングルスで、水谷隼選手が銅メダルと、オリンピックで、個人初のメダル獲得という
輝かしい活躍をしてくれました。
 
特に、水谷選手は、シングルスで、世界一位の馬龍選手との準決勝でも、
後一息というところまで追い詰めた。
そして、その後の団体戦では、余分な力が抜けて、思い切ったプレーの連続で、
試合をやる度に、成長し、強くなっていき、年を「取って」若くなっていくように感じた。
その後は、皆さんもよくご存知のような活躍で、
銀メダル獲得に向け大黒柱としての責任を果たしてくれました
 
また、丹羽孝希選手もシングルスで、世界ランク8位の黄鎮廷選手(香港)に、
1-3の劣勢から大逆転し、ベスト8に進出、
団体戦のダブルスでは、持ち前の速攻を発揮して、銀メダル獲得に貢献しました。
 
私は、大会が始まる1週間前、選手達に、大試合に臨むアドバイスを送りました。
そのうちのいくつかを抜粋します。
 
  • いいプレーをしている時を思い出し気持ちを落ち着かせよう。
  • 意欲を持て!  プラスエネルギーが充満する。
  • 大事な場面でリラックスし、そして集中して、思い切れ。
  • エッ!と思う戦術で、相手を慌てさせよう。
  • リスクを取らないことは、最大のリスクだ。
  • 「自分は強い」と“自己暗示”はどんどんかけよう。
  • 勝ったときの“イメージ”を重視しよう。
  • 最後は勝った!! 
    試合後多くの方々からお祝のメッセージをいただきました。
     
    私は昨日サンフランシスコから帰国しました。
    今回のオリンピックでの卓球の活躍、本当に感動いたしました。
    すべての競技の中で、一番輝いておりました。
    東京オリンピックが今から楽しみです。
     
    おめでとうございます!
    水谷選手はオリンピックで一段と逞しくなったように感じました。
    丹羽選手も大健闘で堂々の銀メダル獲得!
    明治大学卓球部の新しい歴史ですね。
    日本中が感動した素晴らしい試合でした。
    誠におめでとうございます!!
     
    水谷選手の銅メダルは凄かったですね。
    特に準決勝戦は卓球のイメージがかわりました。
    まさに格闘技ですね。
     
    卓球での快挙おめでとうございます。
    男子団体銀メダル、女子団体銅メダルおめでとうございました。
    水谷選手、凄いですね!ついに念願の中国選手に勝ちましたね。
    兒玉会長のご苦労に心からお祝申し上げます。
     
    日本中が卓球に熱狂しましたね。
    楽しかったです!
    諦めない気持ちがひしひしと伝わりました。
    本当に清清しい気持ちです。
     
    などなど、数々のお祝メールを頂戴いたしました。
    皆さん本当にありがとうございました。
     
    9月7日から開催されるパラリンピック、
    また、我々にどのような感動を与えてくれるのか楽しみにしております。
     
     

 
さて私は、今回のオリンピックで、最も心に残ったすばらしい言葉が忘れられません
体操個人総合で、金メダルに輝いた内村航平選手と、
銀メダルのオレグベルニヤエフ選手(ウクライナ)の記者会見、
あなたは審判に好かれているのではないですか?」と、
海外メディアの記者が、内村航平に意地悪な質問をした。
これに怒ったのがベルニヤエフ選手だった。
審判は正しいそれは無駄な質問です」・・・と。
彼はまだ22歳
ともすれば、相手に対する敬意を忘れ、落胆し、口惜しさに惑わされるのが、人の常なのに、
この選手は、将来どのような大輪の花を咲かすのだろうか
4年後の東京で、楽しみに注目したいと思いました。
 
今年は、熊本地震や豪雨、そして、今回は8月に4回もの台風に見舞われ、
各地で、災害が続き、また、世界中で大きな災害やテロが多発しています。
そのような社会情勢のなか、選手の皆さんは、
自分の好きな道として選んだ卓球道を究めるため、
日夜努力する環境を与えられていることに感謝しつつ、
今回活躍した選手たちが、もっともっと成長していくその姿を見て、
俺にだってできる」 「私にだってできます」と言って、
彼らに追いつき追い抜くような選手が出現し、しのぎを削りつつ努力して、
4年後の東京では、打倒中国を実現してくれるものと信じて、
楽しみに支援していきたいと思っています。
 
 
今回私が長年愛読している、人間学を学ぶ月刊誌「致知」で、
再生医療を可能にするiPS細胞を世界で初めて発見し、
2012年にノーベル生理学医学賞を受賞した山中伸弥先生と対談をさせていただいた。
 
その中で、山中先生はアメリカに留学されたとき、
恩師から、研究者として成功するための秘訣は「VW」だと教わった。
ビジョンと、ワークハード、非常に単純な教えですが、
日本人は、ワークハードは得意な民族なので、大事なのはしっかりとしたビジョンを持つこと。そして、ビジョンを周囲に公言することが大切だと思う。
ビジョンを定めたら、声を大にして宣言すれば、もう引き返せなくなるし、
そのビジョンを共感し、サポートしてくださる方も出てくるとおしゃっています。
 
 
物事を究めるためには医科学の世界でも我々スポーツの世界でも同じなんだな・・・と
非常に感銘を受けました。
 
この対談(人生を成功に導くもの)を掲載している月刊誌10月号は、創刊38周年の記念号で、
その特集は「人生の要訣」というテーマです。
38年間、数多くの、各界の一流と言われる人に取材し、そしていま、
この経験は、2つの感慨に凝縮しているという。
 
第1は、理想ビジョンを持たない個人も会社組織国も絶対に発展しない
ということである。
あらゆる生命が発展するには、高く掲げる目標が不可欠なのだ。
忘れてはならない人生の要訣である。
 
個人だけではない。
企業(組織)という生命体の発展も同じである。
それは、3つの要訣にまとめることができる。
ミッションパッションコミュニケーションである。
使命を持ち、その使命に全員が奮い立ち、使命の実現に一致団結していく。
この3つのションがフルに発揮されている企業組織は躍進していくのである
これが第1の感慨
 
第2の感慨は、「そこにどういう人がいるか
家庭も会社組織国もそこにどういう人がいるかによって運命が決まる
ということである。
 
大は国家から、小は家庭まで、あらゆる組織は、そこにいる人によって決まる。
即ち、我づくりこそすべての根幹なのである。
では、どうすれば我づくりはできるのか。
その要訣を、安岡正篤師が示している、
「日常の出来事に一喜一憂せず現在の仕事を自分の生涯の仕事として打ち込むこと
そして、それを信念にまで高めなければ自己の確立はあり得ない
「人間はできるだけ早くから、良き師 、良き友を持ち良き本を読み
ひそかに自ら省み自ら修めることである。人生は心がけと努力次第である」・・・と。
月刊誌「致知」より抜粋
 
 
 

児玉圭司名誉総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 名誉会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督