児玉語録7月号『卓球も仕事も底なしに深く、限りなく広い』を掲載
2017/07/05
『卓球も仕事も底なしに深く、限りなく広い』
卓球(仕事)というのは不思議なものです。
何十年やっても不思議なものです。
それは底なしに深く、限りなく広いからです。
いくらでも考え方があり、いくらでもやり方があります。
もう考えつくされたかと思われるサービスの種類や、レシーブの方法、
フォア・ハンドの強打でも、大小のスイング、ハーフボレー、流しボール、
バック側の処理の仕方(強打、ナックル、ストップ)など、
次々と新しく換えていかなければならない。
進歩させていかなければなりません。
そして、最も大事なことは、卓球は相対的な対人競技であるから、
戦い方のイメージを持たなければならない。
卓球は、相手と距離が近い対戦ゲームだから、勝負は瞬時に決まる。
それ故、サービス、3球目、5球目、レシーブ、4球目が大事。
特に、世界のトップ・プレーヤーとの戦いに勝つためには、
最後の場面でどのような戦い方をすれば勝てるか・・・
というようなことを前提とした考え方を徹底的に考えて、
イメージの中で、何十回も、何百回も試合をする。
集中力を高めることによって、想像力が一気に増してきて、
不思議なことに、新しい発見がある。
今まで気付かなかったことに気付くことができ、目の前が開けてくる。
世界で通用する一流選手は、みんな集中力を見方にして、戦っています。
そのために基本となるのは、
どんなに技術が進歩し、時代が流れても、「心」と「体」の強化です。
卓球(仕事)とはこういうものです。
熱意を持って、懸命に考え抜きたい・・・やりぬきたい・・・です。
失敗したことは何度もあると思う。
でも、失敗を恐れて、逃げていてはいけません。
やれるかやれないかより、自分で考えて考え抜いた結論は、
果敢に決断して行動に移すことです。
出来ない理由を探すのではなく、出来る方策を考える。
このチャレンジ精神が何よりも大切だと思っています。
まさに、
能力の差は5倍でも、やる気の差は100倍にもなるということです。
「追い続ける勇気さえあればすべての夢は実現できる」
これはウォルト・ディズニーの言葉です。
全くその通りです。
継続は力なり、ネバーギブアップ、決して諦めない勇気を持とう。
日本のプロ野球界で、最も名声を博し、今でも有名な選手は王と長嶋でしょう。
その二人が現役時代の巨人軍の監督が、川上哲治さんで、V9を果たした。
その川上さんは、ミーティングで「球際に強くなれ」と頻繁に語っていたとのことです。
分かりやすい事例では、守備面での球際です。
走者2塁で、安打性のゴロ。
外野へ抜けると1点を失うが、飛びついて止めると、走者を3塁に留めて、
ピンチ脱出の希望をつなぐ。
グラブが数センチ伸びるかどうかで明暗を分ける。
“球際”は“瀬戸際”と言い換えてもいいと思う。
ここ一番大事な試合とか、ここ一番最後の場面で力を出せるかどうか。
卓球でも、相手にスマッシュを打たれて、もう間に合わない、
というところで、ラケットが数センチ伸びて、何とか返球した。
相手は抜けたと思ったボールが返ってきて、慌てて体勢を整えたが、
軽い返球となり、それを攻めることにより、逆転に結びつけたということがある。
特にダブルスでは、球際に強くなることは、パートナーに与える信頼にもつながり、
計り知れなく重要です。
そのためにも、粘り強い執念「心」と、瞬発力「体力」の強化が必要です。
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児玉圭司名誉総監督
昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督
(株)スヴェンソン 代表取締役会長
日本学生卓球連盟 名誉会長
明治大学駿台体育会 名誉会長
- 昭和31年
- 世界選手権シングルスベスト16
- 昭和40年
- 第28回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和48年
- 第32回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和50年
- 第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督