児玉語録6月号『常に高い目標を定め、やり抜く』を掲載
2018/06/02
『常に高い目標を定め、やり抜く』
春季リーグ優勝おめでとう。
今回は前半の日大戦、早大戦共に負けてもおかしくないような苦しい戦いを勝ち抜き、
終わってみれば全勝優勝することが出来た。
これはもちろん選手の願晴る力によるものではあるが、
それは髙山監督が常日頃、コーチ陣と一体となって行う指導に拠るところが大きい。
そしてそのことによって、明治大学卓球部のチームには“絶対に諦めない執念”とか
“思いは叶う”、“苦しい時は思い切れ”、“最後は勝つ”などの考え方が“伝統の力”として
根付いてきた証ではないかと思う。
さて、『GRIT やり抜く力』の続きだが、
「カイゼン」(改善)は日本語で、頭打ち状態に陥らないための取り組みを意味する。
文字通りに訳せば「継続的な改良」という意味だ。
「カイゼン」はある時期、きわめて効率的な日本の製造業を支える基本原則として喧伝され、
アメリカのビジネス文化にも大きな影響を与えた。
アンジェラ・ダックワース氏は何十人もの「やり抜く力」の鉄人達にインタビューを行った結果、
ひとり残らず、全員が「カイゼン」を行っていることがわかった。
さらに“メガ成功者”たちを取材したジャーナリストのヘスター・レイシーも、
その成功者達はすでに卓越した技術や知識を身につけているにもかかわらず、
さらに上を目指したい、という強い意欲を示していることが解った。
「つねにもっとうまくなりたい、という強い意欲を持って、まさに自己満足とは正反対。
さらに成長したいという前向きな思いが原動力になっている」…と。
「やり抜く力」には、興味のあることに取り組んだ「時間の長さ」だけでなく、
「時間の質」も関係している。
つまり、「どれだけ集中して、質の高い取り組みを行ったか」が大事なのである。
楽な練習は、いくら続けても意味がない…ということだ。
1. ある一点に的を絞って、高めの目標を設定し、具体的な弱点の克服に努める。
あえて自分がまだ達成していない困難な目標を選ぶ。
オリンピックの競泳金メダリスト、ローディ・ゲインズは
「練習のたびに、あえて厳しい目標を課すことにしています。
たとえば、コーチに100メートルを10本、目標タイムは1分15秒でやれと言われたとします。
翌日には、自分で目標タイムを1分14秒に設定するんです。」と語った。
2. 集中して、努力を惜しまず、高い目標の達成を目指す。ひとの見ていないところで努力する。
さらに、自分のパフォーマンスが終わるとすぐ、熱心にフィードバックを求める。
うまくできた部分よりも、うまくできなかった部分を知って克服する。
3. 改善すべき点がわかったあとは、うまくできるまで何度でも繰り返し練習する。
高い目標を完全にクリアできるまで…
以前はできなかったことが、すんなりと完璧にできるようになるまで。
できないと思っていたことが、考えなくてもできるようになるまで。
では…そのあとは?目標を達成したあとは、どうするのだろうか?
トップアスリートたちは新たな高めの目標を設定し、弱点の克服に努める。
小さな弱点の克服をこつこつと積み重ねていくことが、驚異的な熟練の境地に至る道なのだ。
私は日本代表の監督時代、世界一になるため、ラリー2000本ノーミス、
1分間70本のフットワーク、変化カット300本、無変化カット500本ノーミス。
20キロマラソンの後、5時間の技術練習。一つの課題をクリアしないと次の課題に移らない。
40センチの雪が積もる、ある真冬の朝、暖房のない小学校の体育館で、訓練を始めた。
ツッツキ1000本ノーミス(999本でミスしたら最初からやり直す)という課題を朝9時に始めて、
他の選手は夕方5時頃までに終わったが、一人の男子選手が夜の9時を過ぎても終わらない。
それでも決して妥協せず何度も挑戦し続け、結局夜中の2時にクリアしました。
やっぱり一つひとつ、目の前の課題をやり切る。
それを習慣にすることで、世界で闘える技術力と精神力が鍛えられていくのです。
「一途一心」という言葉がある。一途一心とはひたすら、ひたむき。一つの事に命を懸けること。
あらゆる道、あらゆる事業を完成させる上で、欠かすことの出来ない心の態度です。
物事を成就させるには、このコア(核)がなくてはならない。
森信三著『修身教授録』の中にもある言葉。
「真の“誠”は何よりもまず己のつとめに打ち込むところから始まるといってよいでしょう。
すなわち誠に至る出発点は、何よりもまず自分の仕事に打ち込むということでしょう。
総じて自己の務めに対して、自己の一切を傾け尽くしてこれに当たる。
すなわち、もうこれ以上は尽くしようがないというところを、なおもそこに不足を覚えて、
さらに一段と自己を投げ出していく。これが真の誠への歩みというものでしょう。」
春季リーグ優勝おめでとう。
今回は前半の日大戦、早大戦共に負けてもおかしくないような苦しい戦いを勝ち抜き、
終わってみれば全勝優勝することが出来た。
これはもちろん選手の願晴る力によるものではあるが、
それは髙山監督が常日頃、コーチ陣と一体となって行う指導に拠るところが大きい。
そしてそのことによって、明治大学卓球部のチームには“絶対に諦めない執念”とか
“思いは叶う”、“苦しい時は思い切れ”、“最後は勝つ”などの考え方が“伝統の力”として
根付いてきた証ではないかと思う。
さて、『GRIT やり抜く力』の続きだが、
「カイゼン」(改善)は日本語で、頭打ち状態に陥らないための取り組みを意味する。
文字通りに訳せば「継続的な改良」という意味だ。
「カイゼン」はある時期、きわめて効率的な日本の製造業を支える基本原則として喧伝され、
アメリカのビジネス文化にも大きな影響を与えた。
アンジェラ・ダックワース氏は何十人もの「やり抜く力」の鉄人達にインタビューを行った結果、
ひとり残らず、全員が「カイゼン」を行っていることがわかった。
さらに“メガ成功者”たちを取材したジャーナリストのヘスター・レイシーも、
その成功者達はすでに卓越した技術や知識を身につけているにもかかわらず、
さらに上を目指したい、という強い意欲を示していることが解った。
「つねにもっとうまくなりたい、という強い意欲を持って、まさに自己満足とは正反対。
さらに成長したいという前向きな思いが原動力になっている」…と。
「やり抜く力」には、興味のあることに取り組んだ「時間の長さ」だけでなく、
「時間の質」も関係している。
つまり、「どれだけ集中して、質の高い取り組みを行ったか」が大事なのである。
楽な練習は、いくら続けても意味がない…ということだ。
1. ある一点に的を絞って、高めの目標を設定し、具体的な弱点の克服に努める。
あえて自分がまだ達成していない困難な目標を選ぶ。
オリンピックの競泳金メダリスト、ローディ・ゲインズは
「練習のたびに、あえて厳しい目標を課すことにしています。
たとえば、コーチに100メートルを10本、目標タイムは1分15秒でやれと言われたとします。
翌日には、自分で目標タイムを1分14秒に設定するんです。」と語った。
2. 集中して、努力を惜しまず、高い目標の達成を目指す。ひとの見ていないところで努力する。
さらに、自分のパフォーマンスが終わるとすぐ、熱心にフィードバックを求める。
うまくできた部分よりも、うまくできなかった部分を知って克服する。
3. 改善すべき点がわかったあとは、うまくできるまで何度でも繰り返し練習する。
高い目標を完全にクリアできるまで…
以前はできなかったことが、すんなりと完璧にできるようになるまで。
できないと思っていたことが、考えなくてもできるようになるまで。
では…そのあとは?目標を達成したあとは、どうするのだろうか?
トップアスリートたちは新たな高めの目標を設定し、弱点の克服に努める。
小さな弱点の克服をこつこつと積み重ねていくことが、驚異的な熟練の境地に至る道なのだ。
私は日本代表の監督時代、世界一になるため、ラリー2000本ノーミス、
1分間70本のフットワーク、変化カット300本、無変化カット500本ノーミス。
20キロマラソンの後、5時間の技術練習。一つの課題をクリアしないと次の課題に移らない。
40センチの雪が積もる、ある真冬の朝、暖房のない小学校の体育館で、訓練を始めた。
ツッツキ1000本ノーミス(999本でミスしたら最初からやり直す)という課題を朝9時に始めて、
他の選手は夕方5時頃までに終わったが、一人の男子選手が夜の9時を過ぎても終わらない。
それでも決して妥協せず何度も挑戦し続け、結局夜中の2時にクリアしました。
やっぱり一つひとつ、目の前の課題をやり切る。
それを習慣にすることで、世界で闘える技術力と精神力が鍛えられていくのです。
「一途一心」という言葉がある。一途一心とはひたすら、ひたむき。一つの事に命を懸けること。
あらゆる道、あらゆる事業を完成させる上で、欠かすことの出来ない心の態度です。
物事を成就させるには、このコア(核)がなくてはならない。
森信三著『修身教授録』の中にもある言葉。
「真の“誠”は何よりもまず己のつとめに打ち込むところから始まるといってよいでしょう。
すなわち誠に至る出発点は、何よりもまず自分の仕事に打ち込むということでしょう。
総じて自己の務めに対して、自己の一切を傾け尽くしてこれに当たる。
すなわち、もうこれ以上は尽くしようがないというところを、なおもそこに不足を覚えて、
さらに一段と自己を投げ出していく。これが真の誠への歩みというものでしょう。」
児玉圭司名誉総監督
昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督
(株)スヴェンソン 代表取締役会長
日本学生卓球連盟 名誉会長
明治大学駿台体育会 名誉会長
- 昭和31年
- 世界選手権シングルスベスト16
- 昭和40年
- 第28回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和48年
- 第32回世界卓球選手権 日本代表監督
- 昭和50年
- 第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督